バタフライバルブの性能に対する温度と圧力の影響

バタフライバルブの温度と圧力の影響

バタフライバルブの性能に対する温度と圧力の影響 

多くのお客様からお問い合わせをいただきますが、その際には媒体の種類、媒体温度、圧力についてご回答いただくようお願いしております。これは、バタフライバルブの価格に影響を与えるだけでなく、バタフライバルブの性能を左右する重要な要素でもあるためです。これらの影響はバタフライバルブに複雑かつ包括的に及びます。 

1. バタフライバルブの性能に対する温度の影響: 

1.1. 材料特性

高温環境では、バタフライバルブ本体やバルブステムなどの材料は耐熱性に優れている必要があります。耐熱性が低いと、強度や硬度が低下します。また、低温環境では、バルブ本体の材質が脆くなります。そのため、高温環境では耐熱合金材料を、低温環境では耐寒靭性に優れた材料を選定する必要があります。

バタフライバルブ本体の温度定格は何ですか?

ダクタイル鉄製バタフライバルブ:-10℃~200℃

WCBバタフライバルブ:-29℃~425℃。

SSバタフライバルブ: -196℃~800℃。

LCBバタフライバルブ: -46℃~340℃。

バタフライバルブ本体材質

1.2. シール性能

高温下では、軟質バルブシートやシールリングなどが軟化・膨張・変形し、シール効果が低下します。一方、低温下ではシール材が硬化し、シール性能が低下する可能性があります。そのため、高温環境下でも低温環境下でもシール性能を確保するためには、高温環境に適したシール材を選定する必要があります。

ソフトバルブシートの動作温度範囲は以下のとおりです。

• EPDM -46℃ – 135℃ アンチエイジング

• NBR -23℃~93℃ 耐油性

• PTFE -20℃~180℃ 耐腐食性および化学媒体

• VITON -23℃ – 200℃ 耐腐食性、耐高温性

• シリカ -55℃ -180℃ の高温耐性

• NR -20℃ – 85℃ 高弾性

• CR -29℃ – 99℃ 耐摩耗性、耐老化性

バタフライバルブのシート材質

1.3. 構造強度

「熱膨張・収縮」という概念は、皆さんも聞いたことがあると思います。温度変化は、バタフライバルブのジョイント部やボルトなどの部品に熱応力による変形や亀裂を引き起こします。そのため、バタフライバルブの設計・設置においては、温度変化がバタフライバルブの構造に与える影響を考慮し、熱膨張・収縮の影響を軽減するための適切な対策を講じる必要があります。

1.4. 流動特性の変化

温度変化は流体媒体の密度と粘度に影響を与え、バタフライバルブの流量特性に影響を与える可能性があります。実際の用途では、バタフライバルブが様々な温度条件下で流量制御のニーズを満たすためには、温度変化が流量特性に与える影響を考慮する必要があります。

 

2. バタフライバルブの性能に対する圧力の影響

2.1. シール性能

流体媒体の圧力が上昇すると、バタフライバルブはより大きな圧力差に耐える必要があります。高圧環境においては、バタフライバルブはバルブが閉じた状態で漏れが生じないように十分なシール性能を備えていなければなりません。そのため、バタフライバルブのシール面は通常、炭化物やステンレス鋼で作られ、シール面の強度と耐摩耗性を確保しています。

2.2. 構造強度

バタフライバルブ 高圧環境下では、バタフライバルブはより高い圧力に耐える必要があるため、その材質と構造は十分な強度と剛性を備えていなければなりません。バタフライバルブの構造は通常、バルブ本体、バルブプレート、バルブステム、バルブシートなどの部品で構成されています。これらの部品のいずれか1つの強度が不十分だと、高圧下でバタフライバルブが故障する可能性があります。そのため、バタフライバルブの構造設計においては、圧力の影響を考慮し、適切な材料と構造形式を採用する必要があります。

2.3. バルブの操作

高圧環境はバタフライバルブのトルクに影響を与える可能性があり、開閉に大きな操作力が必要になる場合があります。そのため、バタフライバルブが高圧下にある場合は、電動、空気圧などのアクチュエータを選択するのが最適です。

2.4. 漏洩の危険性

高圧環境では、漏れのリスクが高まります。たとえわずかな漏れであっても、エネルギーの無駄や安全上の問題につながる可能性があります。そのため、漏れのリスクを低減するためには、高圧環境下でもバタフライバルブが良好なシール性能を備えていることを確認する必要があります。

2.5. 中程度の流動抵抗

流動抵抗はバルブ性能の重要な指標です。流動抵抗とは、流体がバルブを通過する際に発生する抵抗のことです。高圧下では、バルブプレート上の媒体の圧力が上昇するため、バタフライバルブにはより高い流量が求められます。このため、バタフライバルブは流動性能を向上させ、流動抵抗を低減する必要があります。

 

一般に、温度と圧力がバタフライバルブの性能に与える影響は、シール性能、構造強度、バタフライバルブの動作など、多面的です。バタフライバルブがさまざまな動作条件下で正常に動作することを保証するには、適切な材料、構造設計、シールを選択し、温度と圧力の変化に対応するための適切な対策を講じる必要があります。